ベーシストとして活動していると、「新曲を覚えるのが遅い」「ライブまでに間に合わない」と焦ることがあります。
ですが、ただ回数を重ねるだけでは効率は上がりません。実は、“覚える順序”と“聴き方”を変えるだけで、驚くほど早く曲を体に染み込ませることができるのです。
この記事では、ベーシストがより早く曲を覚えるための実践的な方法を5つのポイントで解説します。
1. まずは「構成」から覚える
多くの人がいきなりフレーズをコピーしようとしますが、最初にやるべきは曲全体の「構成把握」です。
イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、ブリッジ、アウトロ——この流れを紙に書き出すだけで、脳の中に“地図”ができます。
構成を理解した状態で練習に入ると、「今どこを弾いているか」が明確になり、結果として覚えるスピードが格段に上がります。
2. ベースラインを“耳”でなく“コード感”で捉える
単に音をなぞるのではなく、コード進行の流れを意識してフレーズを理解しましょう。
たとえば「A→D→E」という進行なら、「ルートを押さえてから、4度上・5度上に流れているな」と理論的に捉えることで、他の曲でも応用が効きます。
耳コピの段階で“構造を分析するクセ”をつけると、記憶が長持ちし、曲の理解も深まります。
3. リズムの「ノリ」を先に身体で覚える
音を覚えるよりも先に、ドラムとのリズム感を体で感じ取ることが大切です。
特にキック(バスドラム)とベースの関係性は、曲の「土台」そのもの。
ベースの音をまだ弾けなくても、まずはドラム音源だけを流して体を揺らし、リズムに慣れることで、後から弾くフレーズの吸収がスムーズになります。
4. 一気に全部覚えようとしない
1曲を最初から最後まで通しで覚えようとすると、途中で混乱して挫折します。
おすすめは、「1セクションずつ」区切って覚える方法。
Aメロを完璧にしたら次にBメロ、という風に短い単位で積み重ねると、脳の負担が減り、記憶が安定します。
しかも、ライブでの集中力も高まり、ミスも少なくなります。
5. 弾きながら“口で歌う”ようにする
上級者ほど、弾くと同時にベースラインを口ずさめます。
これは「音を指で追う」だけでなく、「メロディとして覚えている」証拠。
最初は難しく感じますが、少しずつ声に出してリズムを取るようにすると、自然と曲が身体に染み込み、テンポが速い曲でもスムーズに弾けるようになります。
まとめ:覚えるのではなく「理解して染み込ませる」
曲を早く覚えるベーシストは、単に暗記しているわけではありません。
構成を理解し、リズムを感じ、理論を踏まえてフレーズを捉えることで、効率よく“自分のもの”にしているのです。
焦らず、1曲ごとに「分析→体得→表現」という流れを意識すれば、どんな曲でも短時間で自信を持って演奏できるようになります。
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